サンデー毎日10/16号

 毎週なぜかサンデー毎日を購読しているのだが、その中で37歳の理系の博士号取得者について扱った特集があった。なんでも24歳で修士課程を出ていったん企業に就職したが、博士号を取らないかと誘われ28歳のときに大学に戻り、31歳のときに博士号をおとりになられたとのこと。しかし博士号をとったはいいが、文部科学省が博士号を大量に生み出す一方、アカポスのための予算は思い切り削減したことや年齢等の障害等によりアカポスを得ることができず37歳になってようやく予備校の契約社員になれたとのこと(特集のタイトルが「孤家族のゆくえ パラサイトファミリーという砂上の人生計画」)。
 比較的大学院出身者の研究職、専門職への就職が恵まれている理系でもそうなのかと思うと愕然とせざるを得なかった(金に即結びつく研究には予算が重点的に配分され、そのポストも相当恵まれていると思い込んでいたので)。
 記事には書いていないので推測になるが、おそらくこの人も大学教授からは「君の自己責任でしょ」と突き放されたのかもしれない。この人以外にもそういうふうに突き放された若い博士号取得者は何人もいるのは間違いない。確かに大学院に入ることを決断したのは学生の側だ。しかし大学院の定員を満たすという目的のためだけに、学生に甘言をいいまくる大学教授に大学院に入ることを勧められなければ、学生たちは大学院に入ることなどなかっただろう。これで100%自己責任といえるのだろうか?そもそも今の時代は自己責任という言葉が強い立場の人間が弱い立場の人間にすべての責任を転嫁するための常套句として使われていると思うのは私だけだろうか?