理系白書 続き

  • 前日の日記で理系白書に触れたが、今日も補足的ながら言及したい。

・・・・日本は長い間、終身雇用を前提に発展してきた。脇道にそれたり寄り道をすると、やり直しがきかない国でもあった。それを脱却しようと進む流動化は、いまだに「動く」リスクを個人に背負わせたままだ(以上引用)。

 今の日本はアカデミズムに限らず全ての分野においてそれがいえるのだろう。昔の終身雇用体勢から脱却しようとする流動化は、あくまでも立場の弱い個人にだけそのリスクを負わせ、終身雇用体勢でも上位にいた人たちは、今までの地位をより安泰なものとするか、今までより上のほうへと「流動」していくのである。この理系白書は総じていったい何が言いたかったのか意味不明で、サンデー毎日の大学院に関する問題を扱った記事の方がずっと深くまで掘り下げられていた。毎日新聞記者諸君、サン毎の取材力を見習うべし。

  • 「春の雪」見ました

 宇多田ヒカルが音楽を担当するから見たくないと前に言っていましたが、すいません、今日の仕事帰りに見てしまいました。いやあ竹内結子が綾倉聡子役というのはあんまり合わなかったけど、それを除けば見て損はないいい映画だとおもいます。映画は2時間40分という長さだったけど、原作を何回も読み返した僕にとってはむしろ短く感じたくらいだった(仕方がないのはわかるがどうしても原作をはしょっているのが目についた)。久々にいい映画を見たというのが率直な感想です。原作のよさはきちんと生きているといえます。第2部の主人公の父親である飯沼が出てこなかったところを見ると、やはり「奔馬」はやらないのかなあ。