『理想の女』

http://www.gaga.ne.jp/goodwoman/index2.html
 ストーリー自体も非常に面白く、見ごたえのある映画だが、特に台詞がウィットに富んでいて、下品なことも上品に言いまわすさまは聞いていて非常に楽しいものだった。またヘレン・ハントの演技は非常に素晴らしいものがあり、この映画をいっそういいものにしていた。ただひとつだけ文句をつけるなら南イタリアの避暑地はオスカー・ワイルドの作品がもつ退廃的な雰囲気を吹き飛ばしてしまうところである。それにしても知らないことが幸せであり、知ることが悲劇につながる、奥深い真理ですな・・・・。

  • kechakさんのブログに面白い記述があったので紹介したい。

右傾化する非エリート - Munchener Brucke

どちらかというと、自分たちの生活に直結した問題として右傾化するのでなく、憂さ晴らしとしての右傾化の粋を出ていないというのが私の率直な感想である。かつての左翼思想がそれなりに労働者の生活改善を実現させたのに比べ、右翼思想は現実に労働者の生活を改善する処方箋にはなっていない。それなのに右翼思想に傾斜する者が多いのはなぜか?
昨日のエントリーの続きになるが、女性に代わる低賃金労働に就く若い男性が反ジェンダーフリー思想に傾斜しているのも一因ではないか?もちろん、反ジェンダーフリーを唱えたところで生活が良くなる訳ではなく、ガス抜きに過ぎないのではあるが……。

上記の記述にはなるほどと思わされた。特にガス抜きという言葉が象徴しているように今の非エリート(ニート、フリーター)は自分たちの生活状況を改善する知恵も気力も気概もなく、ただ不満を抱えているだけなのだ。そういった不満を自分たちより強い立場の人間に決して向けることはなく、自分たちより弱いとか劣っているとみなす対象にその不満をぶつけるという意味で彼らは卑怯者であり、社会の改善にとってなんの役にもたたないのである。非常に滑稽なのは自分たちをそういった弱い立場に追いやるグローバル・スタンダード化を推し進める小泉=竹中を自分たちの不満を代弁し、解消してくれるヒーローとして支持していることである。本当に石橋湛山の言葉「死もまた社会奉仕」という言葉がよく似合う方々である。